「弁護士なんて、お金持ちが頼むもの」——そう思っていました。
でも、ひとりで交渉していたら、私はきっと言いなりでした。娘たちとの暮らしも、守れなかったと思います。
この記事では、離婚のときに弁護士へ依頼した私の体験を、書きます。
- 弁護士を入れて、条件がどう変わったか
- 弁護士費用は、実際いくらかかったのか(世間の相場もいっしょに)
- お金が手元になくても、依頼できた理由
夫に「世間一般は、こんなもんだ」と言われて、言い返せなかった。そんな私の話です。
納得できない条件を出された
離婚を切り出したのは、夫でした。そして、いくつもの条件を出してきました。
養育費は、とても暮らしていける額ではありません。受け取れる期間も、短いものでした。
財産については「マンションは子どもたちのために残す。その代わり、ほかは全部こちらがもらう」。
つまり、私にはマンション以外ほとんど何も残らない条件です。
「これでは、生きていけません」と言うと、夫は言いました。
「世間一般は、こんなもんだ」。
自信たっぷりに言われて、言い返す言葉がありませんでした。
夫には口では、勝てない。でも、ここで頷いたら終わりだと思いました。
そこで、弁護士に間に入ってもらうことにしました。
弁護士を入れる前と、後で
依頼して、条件は大きく変わりました。
養育費は、倍近くまで上がりました。受験の年の上乗せも認められ、受け取れる期間も延びました。
ひとりで交渉していたら、絶対にたどり着けなかった条件です。
マンションも、手放さずに済みました。
財産分与は、本来は半分ずつが原則です。でも、住まいは物理的に半分には分けられません。
マンションは財産分与の半分以上を占めるため、私は売却すると言いましたが、
夫の出してきた条件は変わりませんでした。
マンションは、夫なりの、娘たちへのせめてもの配慮なのでしょう。
でも、現金もないと生活ができません。
弁護士に依頼した結果、住まいと、この先を立て直せるだけの分を、守ってもらいました。
交渉はもめました。夫が不満そうにしたので「それなら、裁判で決めましょう」と言うと、
すっと引き下がったんです。裁判は、避けたかったのだと思います。
もちろん、ぜんぶ思いどおりではありません。
養育費の期間は縮めたり、いろいろ譲歩したり。
取るものと、譲るもの。その線引きも、弁護士と決めていきました。
話し合いでもめたぶん、調停そのものは1回で終わりました。
弁護士に、まず言われたこと
依頼してすぐ、2つのことを言われました。
ひとつは「離婚届不受理申出を出してください」。
(=相手が勝手に離婚届を出すのを防ぐ手続き。
出しておくと役所が受け取らなくなります。本籍地の役所で、無料でできます)
交渉の途中で勝手に離婚届を出されると、条件の話し合いが終わってしまうからです。
もうひとつは「相手と、直接話さないでください」。
これが、どれほど救いだったか。
夫は単身赴任中で、たまに帰ってきましたが、顔を合わせても離婚の話をしなくていい。
私を責めるメールも、弁護士がまず受け止めてくれました。
自分が直接傷つかなくていい。
それだけでも、頼んでよかったと思いました。
調停の日は、弁護士が私と夫の間に座ってくれました。
夫と目を合わせずに済みました。
不安で「本当に大丈夫でしょうか」と聞くたび、弁護士の返事は同じでした。
「大丈夫、大丈夫」。
その一言に、何度も助けられました。
弁護士にかかったお金
いちばん心配なのは、費用ですよね。私も、そうでした。まず、世間の相場から。(2026年7月時点の目安です)
- 相談料:30分5,000円〜1万円ほど(初回無料の事務所が増えています)
- 着手金:20〜40万円ほど
- 報酬金:20〜50万円ほど(+財産分与や慰謝料を取れたら、その10〜20%)
調停離婚なら、基本の着手金+報酬で、合計60〜90万円くらいが目安です。
私の場合は
私の場合、着手金と離婚成立の報酬は、合わせて42万円ほど。
知人の紹介の割引もあって、相場よりむしろ安いくらいでした。
夫は大阪、私は埼玉、弁護士は東京。三人とも、住んでいる場所はばらばらでした。
調停は本来、相手が住んでいる地域の家庭裁判所で行います。
私が申し立てたので、本来なら夫のいる大阪でした。
それを弁護士の事務所がある東京にしてもらえたので、行くのがずいぶん楽でした。
1回で済んだので、弁護士への日当も請求されていません。
総額は、相場より高くつきました。
マンションや養育費を確保できたぶん、さきほどの「%」が乗ったからです。
逆にいえば、取り返す額が小さいケースなら、費用もぐっと少なくて済みます。
弁護士費用は、一部を母が助けてくれました。
申し訳ないと思いつつ、素直に、甘えました。
もし頼れる人がいなくても、法テラス(費用を国が立て替えて、あとから分割で返せる制度)があります。
私も最初に調べました。相談だけなら無料です。
最終的な金額は離婚成立して、全て終わってから決定しました。
一体いくらになるのかとても不安でした。
決定した金額はやっぱりかなり高かったのですが、私の資産の金額を知っている弁護士が
譲歩案を出してくれました。
養育費を最初の数年だけにして計算してくれたのです。
金額は減りましたが、当時の私にはまだまだ払える金額ではなく…
すると、弁護士から「半分は今支払いで、残りはマンションを売るときでいいですよ」と
融通を利かせていただきました。
何年先になるか分からないのに、それまで待つと言ってくれたんです。
「学費で大変でしょうから」と。
とてもありがたかったです。
(その後、借りているのが気になって、7年後に一括で返済したいと申し出たところ、
なんと割引きしていただきました)
お金が手元になくても、弁護士に頼れることをあきらめないで
調べたり探したりしてほしいと思います。
養育費は、かならず書面で残す
最後に、これだけは。養育費は、口約束にしないでください。かならず書面に残すこと。
- 話し合いで決めるなら → 公正証書(強制執行認諾条項つき)
- 家庭裁判所の調停で決めるなら → 調停調書(自動で作られ、公正証書より強い効力があります)
これがあれば、もし相手が払わなくなったとき、裁判をしなくても給与や口座を差し押さえられます。
口約束では、それができません。
私は調停離婚だったので、調停調書を作りました。
おかげで、養育費は約束どおり、全額を払ってもらえています。
ひとりで、戦わないで
長くなったので、大事なことだけ、もう一度。
- 弁護士を入れたら、条件は大きく変わった(養育費は倍近くに)
- 費用は相場でだいたい60〜90万円+成果報酬、取り返す額が小さければ、もっと少ない
- お金が手元になくても、無料相談・法テラス・分割・後払いがある
「世間一般は、こんなもんだ」。あのとき言い返せなかった私が、いま伝えたいのはこれです。
その”世間一般”は、交渉で変えられます。
お住まいの市の無料法律相談か、法テラスに、まず相談してみてください。
